タップ交換を自分でしている方は大勢いると思います。熟練していて職人並みに綺麗に取り付けられている方もおられます。


 タップ交換に問われるもの、それは

1.機能:しっかり接着されていること
2.外見:綺麗に整形されていること
3.タップを壊さないこと

  この3点が全てだと思います。


  2、3については器用であればすぐにマスターできますが、1につて問題が多いようです。

  さて、私は今までかなりの数のタップ交換をしてきましたが、一度も取れたことがありません。しかし廻りの人を見ていると、たまにタップが飛ぶ・浮く人がいます。何が違うのか、あまり気にしたことがありませんでしたが、最近その違いに気がつきました。

  私は今まで全てのタップを手加工のみ(小刀とサンドペーパーのみ)で行ってきました。当然、先角の平面整形もです。タップが飛ぶ方のほとんどは、タップ交換ツール(工具にて先角を平面に整形するツール)を使っておりました。タップ交換ツールを使った人は知っていると思いますが、中心に向かって少し窪んだ形に整形されます。 ※全てのツールを確認したわけではありません。
 多分、0.数ミリのことだと思うのですが、これは非常に悪い結果をもたらします。
 タップ交換時に気が付くと思いますが、この状態で接着したタップを取り外すと中央は接着されておりません。空隙になっているはずです。接着剤によって違いは出ますが、瞬間接着剤は乾燥にて収縮するため、空隙を接着剤にて埋めるつもりでも乾燥によって隙間になるのです。
 タップ交換後、『ぺチンぺチン』と音がしませんか?積層が浮いているのでなければ、タップ接着部分に空隙があるはずです。※中央とは限らない。取り付け方によっては廻りが浮いていることもあります。



 ではどのように整形すればよいのでしょうか。

 ツールを使うのは構いません。時間の節約にもなります。ただし、その後の整形仕上を行ってください。
 使用する工具は、小刀、若しくは革切包丁などの刃がしっかりしている物を選んでください。
 ※カッターは不可。薄すぎてたわんでしまい、刃先のビビリと共に角を傷めやすい。どうしてもカッターを使うのであれば、最小限の力加減で少しつつ削ること。

 先角に直角に刃をあてがい、シャフトを廻してほぼ完全に平になるよう、整形します。気をつけるポイントは、刃の当て方・角度です。少し刃が浮いていると先角の角が削られることになります。また、角度にたいして刃を押し付ける方向が合わないと、削る最中にシャフトがビビリ、同じように先角の角が欠ける場合があります。これにおいては角度、廻し方、力の入れ具合を身体で覚えてください。
 ※絶対に凸状態にはしないこと!
 ほぼ中央付近まで削れたら、タップの接着OKです。※完全に中央まで削ると先角がどんどん薄くなるので、どの程度まで削るかは判断してください。
 『座』を入れることによって先角の消耗をなくすことは出来ます。



 PS.接着剤ですが、瞬間接着剤を使われる方、注意事項があります。
 以下の事例は、対衝撃性瞬間接着剤です。※一般の瞬間接着剤はわかりません。

 接着3時間後、タップが接着剤の揮発臭がするため、実験的にはがしてみました。廻りはしっかり接着されておりましたが、中央部分がまだ液体状態でした。 
 接着剤の揮発臭が残っている場合、完全には接着されていないようです。



 しっかり取り付けられたタップは、撞感・音など、不安感を無くし気持ちよくプレーできるものです。

タップ交換時に中央が空隙になっている方、参考にしてみてはいかがでしょうか。

参考までにタップ交換の具体的な方法については下記サイトがよく解説されていると思います。
カムイブログ タップ交換方法(道具紹介と動画による手順)