当初使っていたCNCはジャンプキュー程度の加工範囲だったので、今年の冬にバット・シャフトサイズまで加工できるCNCを2台目として導入したのですが、使い勝手や信号の不安定さから改造を計画しておりました。
今年の夏よりやっとで改造に着手出来たのですが、これが結構大変でした。

私はPCなど自作していたので、そのスキルで出来ると思っていましたが、始めてみたらとんでもなかったですね。
※PCはプラモデルのようなもので、パーツの組み合わせさえ気をつければ簡単に作ることが出来、わからないことも検索すれば日本語で調べられるのでトラブルなく作れたのですが、今回は違いました。

■改造内容■
1.PCからの信号は全てUSBケーブルにて機械を動かしていたものを、ESS(イーサネット)方式にすることで信号伝達のロスが無くなり機械も安定して早く動かすことが出来るようになります。
2.スピンドル交換
3.加工範囲拡大
4.カメラ原点自動補正
5.Z軸モータートルク(ギヤ追加)
だいたいこんなとこです。

CNCの改造にあたっては、ハード部品以外にも基盤を全て交換したのですが、基盤は海外からの取り寄せであり、全て英文での説明を解読(電子パーツや信号の種類など専門用語)しながらのため、私の語学力と知識では恐ろしく苦労しました。

ばらした状態でケーブルを接続してエラーを繰り返しながらテストを続けます。
※ケーブル自体も作ります。写真はテスト用臨時ケーブルです。
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全てのテストで合格してから、ケースに納めました。基盤2段重ねにして、結構キレイに出来たかと思います。
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■シャフト加工用部位の精度調整■
シャフトを回す部分に精密テスト用バーを設置し、計測上0.01mm以下の芯振れまで調整します。
(精密機械としたらアバウトな芯振れ設定ですが、加工品は木材の外形削りですのでそこまで精度を要求しません)
0.002mmのゲージにて計測し、0.005mmの振れにおさまり合格としました。
まぁ現実的には機械本体の繰り返し精度の問題があるので数字上だけ満たしても意味が無いこと、また材料の固定だけでも狂いは出ることも考慮し、実際には0.025mm以下(外径で0.05mm以下)の外径加工精度が常時出ていればOKだと思っています。
※0.01mm単位の最終仕上は計測しながらの手加工であること、また柔らかい材、硬い材で加工タワミは違うので、精度よく調整しても加工ばらつきは出てしまいます。
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■インレイ加工用部位の精度調整■
インレイなどの加工精度においては上記精度では問題ありますので、機械限界まで調整・設定します。

■全体精度調整■
CNC本体の摺動部分(リニアガイド)は調整出来ないので、この部分の歪は加工プログラム上で設定します。
(調整しているうちに精度の心臓である摺動部分(中国製)の交換をしたくなってしまいましたが、国産リニアガイドとボールねじだけでCNCがもう一台買えてしまう値段なので、これはまた次回です。)
使っているうちに若干狂いが出るので定期的に計測調整が必要です。


サイズ的にわかりにくいかもしれませんが、30インチのシャフト材を取り付けてみました。
※手前にあるほうは、インレイなどの装飾加工を施すパーツです。
※中央の白い板は、下のアルミ板だと0.1mm程度は狂っているので、15mmPOM下敷きを固定して、平面出しをしています。

やっと完成です。
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追記。
ツールセッターのケーブルはマグネット式にしたら、非常に便利です。
※端子内部にネオジウムを取り付けるだけです。
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