シャフト用にぶら下がっております。狭い収納スペースなので全て写すことは出来ませんが。

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写っているシャフトの説明を左から準に。

・一番左のツルツルしたシャフト(完成しています)は、Joe's Goldシャフトです。コグノセンティのシャフトを専属にて制作しておられた方が現役を引退し、その方から在庫のシャフト用ハードメープル材のうち一番いいグレードを数本譲ってもらったうちの3本です。5本は嫁いでいきました。とても良い打感のシャフトです。

・左から2番目はカーリーメープル(虎目)のシャフトです。もう半年くらいぶら下がっております。
材料を削ると自然に曲がるため、ぶらさげておいて曲がってから削りなおす作業の連続ですね。一回に削る量は1mm~0.2mmを2回~3回です。仕上りに近づくにつれ削る量を減らしていきます。
これでだいたい1年くらいかけて削ります。
『どのくらいの期間で作成できるか』を聞かれますが、シャフトの完成時期を答えさせてもらっております。ジャンプキューだとバットはすぐにでも出来るのですが。シャフト次第です。
又、この材は珍しく完全自然乾燥材です。乾燥機に一切入っていない材ということです。
自然乾燥材として販売されている北米産メープル材は数年自然乾燥していても出荷時点で乾燥機に全て入ります。含水率を一定にするためでしょうか。
それでも『自然乾燥品』として市場に出回ります。※間違っていたらごめんなさい、信頼出来る入荷元からの情報です。
一度乾燥機に入ると、残っている水分が一気に飛ぶために硬く締まってしまいます。たとえばソフトメープルも乾燥機に入れればハードメープルのように硬くなります。
この材は完全自然乾燥のためか硬くもなく、柔らかくもなくと言ったところですが、削る感触では少し柔らかめですかね。キレのよいシャフトが出来そうです。

・3番目の、少し黄ばんだような赤っぽいようなシャフトが、俗称『赤木』と呼ばれているシャフトです。バーズアイの柄も出ております。非常に目が詰まっており、年輪が20本/1cmくらいあります。はっきり言って細かすぎて数えられません。削る感触は、硬くて重くて乾いている、しなっても戻りが早い、そんな印象です。在庫数は非常に少なく、入荷予定ありません、在庫限りです。

・右端の赤いやつが、『パープルハート』です。ブレイク用に一本つくりましたが、反発力がありすぎ、硬すぎ、重すぎで、球が暴れてしまい、なかなか思うような性能が出ませんでした。パワーは抜群なのですが。ブレイク用にするのであれば、一部ハイテク化などの工夫が必要のようです。※作成予定。
パープルハートを単純にジャンプ用シャフトとすると、球は非常によく飛びますが暴れます。ただし、この硬さと反発力をなんとか利用したく研究を重ね、ある工夫をして簡単によく飛び非常にコントロールしやすいシャフトとして制作しております。
一度、試打してみるのをお薦めします。
これも1年かけて削ります。今ぶら下がってる材だと年末ころの完成でしょうか。

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シャフトの一部しかお見せ出来ませんが、まぁこんな感じで制作しております。

尚、シャフトは何年寝かせても大なり小なり曲がります。
木材は材中の水分の吸放湿が常にあるため、湿気の多い場所や梅雨時、また日中の車の中など、環境によって曲がりやすい条件は常につきまとうのです。エアコンの効いたビリヤード場に置いておいても、持ちだした途端環境は変わります。
 貼りあわせではないノーマルシャフトでも、なるべく色んな条件下でも曲がりにくいように作りたく、全ての材は「木材安定化加工」を施しております。
木材安定化加工とは説明しだしたら長くなるのでやめますが、木材の曲がり、割れ等を止める処置を、ある薬品にて木材内部に施すということです。質感、性能、外観等、全く変わりません。
※よくノーマルシャフトに施されている「ネルソナイト」ではありません。木材を硬化させてしまう薬品ではなく、国産品である、「木を固めない薬品」を使っております。ご安心ください。
手間暇、金もかかりますが、道具である以上こだわりを持って作っております。

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