先角交換をされた方はご存知だと思います。
たいていは先角との接触部分のシャフト木部は大なり小なり削られます。
先角交換をされるシャフトは、使い込まれている場合がほとんどであり、当然ブチになりみっともない姿となってしまいます。
『シャフトを削らないと先角交換は不可能』というのが、ほぼ常識のようになっています。
これはあくまで『旋盤作業』での話なのです。
木部は真円では無いため、旋盤にて削られる先角の円と一致しないのは当然なのです。
でも、ブチになったシャフト、格好悪くないですか?
私は依頼されたら必ず『シャフトを削っていいか』と聞きます。旋盤だけで先角と木部の面合わせ作業をすれば、それは楽です。ただ、それは楽をするために聞くのではありません。
シャフトを削らずに先角交換は不可能ではありません。ただし非常に手間がかかります。
方法として、仕上げでは旋盤を使わず、全て手作業にて面合わせを行います。
普通、ショップでは絶対にやってくれないでしょう。時間がかかって利益にならないでしょうから。
私の場合は、ただのこだわりです。ブチにしたくないだけで手作業で行っています。ただ、先角と接合面の木部の歪が修正不能な場合のみ多少削らなければならないため、削って良いか確認を取るのです。